昔ある時
一人の僧侶が、弟子に
「そなたは人間に生まれたことをどのように思っているか」
と尋ねた
「大変、喜んでおります」
と弟子が答えると、
僧侶は、次のような話をした
「果てしなく広がる海の底に、目の見えない亀がいる
その盲亀が、百年に一度、海面に顔を出すのだ
広い海には、一本の丸太ん棒が浮いている
丸太ん棒の真ん中には小さな穴がある
その丸太ん棒は、風のまにまに、西へ東へ、南へ北へと漂っているのだ
そなたよ
百年に一度、浮かび上がるこの亀が
浮かび上がった拍子に、丸太ん棒の穴に、ひょいと頭を入れることがあると思うか
弟子は驚いて
「僧侶さま、そんなことは、とても考えられません」
「絶対にないと言い切れるか」
「何億年掛ける何億年、何兆年掛ける何兆年の間には、
ひょっと頭を入れることがあるかもしれませんが、無いと言ってもよいくらい難しいことです」
「ところが、私たちが人間に生まれることは、
この亀が、丸太ん棒の穴に首を入れることが有るよりも、難しいことなんだ。有り難いことなんだよ」
と
「有り難い」とは「有ることが難しい」ということで
めったにないことをいいます
人間に生まれることは、それほど難しいこと
人間に生まれてきたことは大変、喜ぶべきことであると教えられています
「他人から何かしてもらうことは、めったにないことなんだよ、有り難いことなんだよ」
と
「有り難い」
「有り難い」
それがくずれて
「有り難う(ありがとう)」となったと
No intention, No design
ZeRo Design
DESIGN de SMILE ! = Connecting beyond the inner.