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ジル・サンダーさん”鉄の女”ではなく憧れのデザイナー

年が明けて、珍しく新しい服を買った

セールだったこともあるが

デザインの素晴らしさと

その品質の高さと低価格さ

ユニクロとのコラボの最終章と言われているライン、

ジル・サンダーさんのラインだ

素敵で素晴らしい服だと思う

彼女は、もともと、テキスタイル技術者としてスタートし

職人的モノ作りサイドと

ファッションを外から眺めていたジャーナリズムサイドと

両方を行ったり来たりし

さらに経営的な立場から

自分の位置を創ってきた人である

プラダからユニクロのコンサルティングという仕事(また別の機会に)も

彼女だから可能だったのだろう

彼女の持ち味はミニマリズム的思考の具現化

この言葉を本人は好きではないらしい



別の言い方をすれば”Simple is best”(シンプル・イズ・ベスト)

日本で独自に発展した”質素””清貧”を生活の理想とし

近年、世界の成功者といわれる人たちが好む、

宗教的な匂いの強い”禅”と同じ

一般的な生活様式から芸術の諸分野、

美術・建築・音楽・哲学などなどに導入されて

展開されきた指針だろう

しっかりとした力のある人

その服デザイナーとしての仕事は唸ってしまう

また、彼女の言葉にも

デザインの役割やその本質をとても感じる

+J(ユニクロ)への取り組み方を口にしたコメントの中にも滲み出ている

いくつかピックアップしてみたい

「ささやかな方法で
ファッションへの関心を引き出すやり方がいい。
特にフォーカスしたいのが、
新しいフォルムとフレッシュなプロポーション。
着る人の個性を邪魔するような余計な装飾は避け、
素材そのものが持つ価値と、職人技、
パーフェクトなフィット感に集中するようにする。」

「デザイナーのシグネチャーというものは、
全体のアプローチを通して表れるもの。
それらはモダンな新鮮さを備えた、
コンテンポラリーな彫刻的要素を持つソリューション、
高品質の素材・機能性・耐久性を実現するのは
細かな職人技であり、
全ての基盤です。
コレクション全体がパーソナルなステートメントの表現
それぞれのアイテムが”同じ言語を使って発信し語りかける”ように」

「業界の中でクラシックなアイテムの”美しさ”のポテンシャルが
まだまだ活かし尽くされていないと感じている。
インスピレーションを与えてくれる素材からデザインを起こし、
新たなシェイプとバランスを探る。
例えばカシミヤからロングコートの印象的なディテールをイメージングする
例えば内側にベルトを付けて、フロントに上品なドレープを作れるようにする
フェミニンさとスポーティさのクロスオーバー。」

「独創的なフォルム、
アップデートし続ける定番アイテム、
センシュアルな風合い、
デザインが持つ価値、
上質感のある仕立て、
そして
新しい時代の快適さを追求した結果生まれた
魅力的なバランスです。」

「新しい仕事は常に未来に向けた実験的な取り組みです
自分にとってのリアルを具現化しようと試み
時代の雰囲気やニーズ、欲求の対象をとらえ、
人を惹きつけるようなルックスをデザインしたい
着る人に新鮮な気持ちをもたらし、
今この瞬間と繋がっていることを感じさせること
それらがデザインです。」



”鉄の女”といわれている彼女だが、

私たちデザイン業界の人間からすると

憧れの一人である



https://ja.wikipedia.org/wiki/ジル・サンダー
https://en.wikipedia.org/wiki/Jil_Sander

https://ja.wikipedia.org/wiki/織物
https://en.wikipedia.org/wiki/Woven_fabric

https://ja.wikipedia.org/wiki/ミニマリズム
https://en.wikipedia.org/wiki/Minimalism

No intention, No design

ZeRo Design

DESIGN de SMILE ! = Connecting beyond the inner.